AMD A8-3820からXeon E3 1231 v3へ乗り換えレポート:その2【VCore調整省電力化編】

前回の記事:AMD A8-3820からXeon E3 1231 v3へ乗り換えレポート:その1【とりあえず性能チェック編】

Xeon乗り換えレポートの続きになります。ダイです。

Xeon E3 1231 v3が到着して以来、昨日までずっとVCore周りの調整やら他のUEFIの設定やら、PCの作業環境復活やらでてんてこ舞いでした。

そんな中、ようやく安定した動作ラインが確認できたので、その顛末を纏めていきたいと思います。

結論だけ先に書いておくと、自分のマシン構成では VCore Offset -0.065Vで安定した動作を見せています。
OSを起動させて放って置くだけならば-0.110Vまで低下させられたのですか、各種ベンチマークおよびゲーム中にフリーズ→BSODとなってしまうため、かなり調整は難航しました;

あと、四方山話として、最初UEFIからVCoreの調整ができないなぁ・・・おかしいなぁ・・・とBIOSバージョンを最新のものに更新したりしてみたのですが、なんてことはない操作説明を把握していなかっただけで、“+”、”-“キーで設定を上下できることをしばらく悩んだ末に思い出しました(汗
別にBIOSの調整キーとしては一般的なので、しばらく弄くってなかったのが露呈した瞬間でした。

例によってかなり長くなるため、折り返しにて詳細な情報を書いていきます。


 【省電力化の第一歩、TurboBoostをOFFにした場合】
  VCoreの設定をいじくる前に、省電力モードを調整するうえで必要な設定をあらかじめ施してしまおうということで、まずはTurboBoostを切る所からスタート。
  一応その他UEFIの設定も数箇所省電力モード用に設定しています。


  [UEFI設定]
   TB : OFF、CPU C-State : Enabled、VCoreは定格どおり
   DRAM :XMP使用(1600MHz 9-9-9-28 2T 1.5V)
   EPU Power Saving Mode : Enabled

 [結果]
  [CINEBENCH R15]
    CPU : 694 cb
    参考 : CPU Single Thread : 135 cb 、MP Ratio : 5.13x 消費電力:Single95W、Multi134W(ディスプレイ込み)

  [PerformanceTest 8] Build 1039(64Bit)
    Passmark Rating : 3132
    CPU Mark : 9572
    2D Graphics Mark : 870
    3D Graphics Mark : 3903
    Memory Mark : 2619
    Disk Mark : 919

    参考:CPU Single Thread : 2026 消費電力、最大149W(3D Graphics Mark時、ディスプレイ込み)

  [3D Mark] Ver 1.2.250.0(64Bit)
    Ice Storm : 128352(Graphics score:252266 / Physics score:47202) 消費電力:最大165W
    Cloud Gate : 18127(Graphics score:32864 / Physics score:7055)  消費電力:最大165W
    Fire Strike : 4098(Graphics score:4408 / Physics score:9734) 消費電力:最大163W

  [OCCT]Version 4.4.1
  OCCT:CPU実行中 最大消費電力:168W(いずれもディスプレイ込み) 動作温度:15分ロード時でコア温度62度まで。  

  消費電力:Idle時48~50W(ディスプレイなし、ディスプレイ込み76~78W)

  [性能評価]
  この段階でA8-3820より消費電力が落ちていることを確認。
  TurboBoostをOFFにすると、大体性能が4%程度落ちることが判明したが、最大消費電力は7~12W程度落ちているため、スコア対消費電力についてはTurboBoostを切っておいたほうが良いと考えられる。

正直TurboBoostの割合もこのCPUだと低いので、そこまで消費電力が削れるとは思っていなかったのですが、結構省電力化に貢献してくれるなぁと感じた次第です。

さて、これでVCore低下の下準備が整ったので、実際にVCoreを細かく調整していきます。

最初は0.005V単位で徐々に低下させていく方法を採用したのですが、あまりにも調整に時間がかかってしまうため、一気に0.025V単位ぐらいで低下させてみてベンチマーク、通れば次の段階へ、通らなければそこから+0.010Vぐらいの調整幅で再度ベンチマークという二分探索法的な形を採用しました。

過程を全部書くととてつもない文章量になってしまうため、最終的に落ち着いたVCore offset -0.065V時点でのスコアとその時のUEFIの設定パラメータを記載しようと思います。
実際には十数回ブルースクリーンを経ていたり、測定時間だけで丸2日ぐらいかかったりしています。

  [主だったUEFI設定(ASUS H97M PLUS)] Ver.2202
    [Ai Tweaker]
     CPU Core Ratio – Per Core
     Min. CPU cache Ratio – Auto
     Max. CPU cache Ratio – 34x
     EPU Power Saving Mode – Enabled
     
     SPD情報:XMP、Profile1(9-9-9-28-2T-1.5V)

     [DIGI+ VRM]
      CPU Load-Line Calibration – Regular
      CPU Power Phase Control – Optimized

     [Internal CPU Power Management]
      Turbo Mode – Disabled
      Thermal Feedback – Enabled
      CPU Integrated VR Fault Management – Enabled

     CPU Core Voltage – Offset Mode
     Offset Mode Sign – –
     CPU Core Voltage Offset – 0.065V
     
     CPU Spread Spectrum – Enabled
    
    [Advanced]
     [CPU Configuration]
      [CPU Power Management Configuration]

       CPU C-State – Enabled
        Package C-States Support – Enabled

     [System Agent Configuration]
      VT-d – Enabled

      [NB PCI-E Configulation]
       PCIEx16_1 Link Speed – Gen3

     [Platform Misc Configulation]
      [PCH – PCI-Express]

       DMI Link ASPM Control – Enabled
       ASPM Support – Auto
      [SA – PCI Express]
       PEG ASPM Support – Auto

     他にも設定はあるが、書いていたらキリがない&大半はデフォルト設定のまま。ファンの回転数制御は全体的に静音モードに指定。

  Offset -0.065V 時の各種電圧は、CPU-Z読みでIdle時:0.642V 定格時:0.981V OCCT時:1.039V となっている。

  [各種ベンチマークと消費電力]

  基本消費電力:Idle時45~46W(ディスプレイなし) 72-73W(ディスプレイ込み)→ディスプレイで27W程度消費している。

  [CINEBENCH R15]
    OpenGL : 116.00fps
    CPU : 692 cb
    参考 : CPU Single Thread : 136 cb 、MP Ratio : 5.10x 消費電力:Single94W、Multi129W(いずれもディスプレイ込み)

  [PerformanceTest 8] Build 1039(64Bit)
    Passmark Rating : 3215
    CPU Mark : 9596
    2D Graphics Mark : 880
    3D Graphics Mark : 3870
    Memory Mark : 2599
    Disk Mark : 977

    参考:CPU Single Thread : 2029 消費電力、最大147W(3D Graphics Mark時)
  
  [3D Mark] Ver 1.2.250.0(64Bit)
    Ice Storm : 128034(Graphics score:240581 / Physics score:48547) 消費電力:最大165W
    Cloud Gate : 17931(Graphics score:31684 / Physics score:7118)  消費電力:最大162W
    Fire Strike : 4029(Graphics score:4323 / Physics score:9749) 消費電力:最大160W

  [OCCT]Version 4.4.1
  OCCT:CPU実行中 最大消費電力:160W(いずれもディスプレイ込み) 動作温度:40分ロード時でコア温度59度まで。

  [性能評価]
  VCoreをこの電圧まで引き下げてやると、消費電力がVCore初期値と比べて最大消費電力が5~8W程度低下することが判った。
  VCoreを引き下げただけなので、基本的にはスペック低下は発生していない

  ちなみにこの時点で先代のA8-3820と比較すると、最小消費電力で12~13W程度、最大消費電力で約17Wの低下が見えている。

ここまでで、大体予想通りの消費電力低下を実現させることができました。
定格動作時のTDPをカタログ通りの80Wとするならば、ここまでの消費電力低下で約60W~65W程度まで省電力化が行われたことになります。
A8-3820との消費電力差で、最小消費電力も最大消費電力も10W以上低下させられたのは非常に大きい成果じゃないかと思っています。

ちなみに、OS起動だけならばVCoreは-0.110Vまで低下していたのですが、この状態ではOSを起動させておくのが精一杯で、CINEBENCHでフリーズしたりするため、-0.095Vまで一度電圧を上げ、その時には各種ベンチマークおよび現在プレイ中のゲーム、Firefallがフリーズしないところにまで漕ぎ着けられました。

しかし、インストールし忘れていたSims3をインストールし、動作テストをしてみるとこれが落ちる落ちるという事態になってしまいました(汗
全くゲームにならない頻度でブルースクリーンになるため、仕方なくそこからさらにVCoreを引き上げつつ動作チェックをしていました。これに丸一日・・・
VCore上昇に従って、段々とフリーズする機会が後ろに伸び、負荷がかかっても落ちづらくはなっていったのですが、最終的にフリーズ現象が発生しなくなったのが-0.065Vという数値でした。
この数値ならばSims3を含むすべてのアプリケーション、ベンチマークソフトが問題なく動作することを確認しています。

これなら常時稼動させていても問題ない消費電力になるのではないでしょうか。

・・・そうだ、折角のXeonなので、買わなかった1240L V3の設定にしたがってみたらどのぐらいのスコアになるのか調査してみることにしよう。

 【動作周波数を2.0GHzに低下させた場合の性能調査】
  ・動作クロックを3.4GHzから2.0GHz(Xeon E3 1240L v3の定格相当)に低下させた場合、消費電力および性能がどうなるか調査する。
  
  [チェック環境]
   現行稼動している状態から、CPU倍率、キャッシュ倍率をそれぞれ20xに設定する。
 
  [結果]
   VCore : CPU-Z読みでIdle時:0.638V 定格時:0.797V OCCT時:0.826V)となっている。
 
  [各種ベンチマークと消費電力]

  基本消費電力:Idle時46~47W(ディスプレイなし) 73-74W(ディスプレイ込み)→ディスプレイで27W程度消費している

  [CINEBENCH R15]
    CPU : 412 cb
    参考 : CPU Single Thread : 80 cb 、MP Ratio : 5.15x 消費電力:Single84W、Multi99W(いずれもディスプレイ込み)

  [PerformanceTest 8] Build 1039(64Bit)
    Passmark Rating : 2502
    CPU Mark : 5809
    2D Graphics Mark : 550
    3D Graphics Mark : 3811
    Memory Mark : 1894
    Disk Mark : 1019

    参考:CPU Single Thread : 1188 消費電力、最大138W(3D Graphics Mark時)
  
  [3D Mark] Ver 1.2.250.0(64Bit)
    Ice Storm : 83309(Graphics score:192048 / Physics score:27940) 消費電力:最大154W
    Cloud Gate : 12969(Graphics score:31702 / Physics score:4227)  消費電力:最大150W
    Fire Strike : 3859(Graphics score:4321 / Physics score:5719) 消費電力:最大148W(上記いずれもディスプレイ込み)

  [OCCT]Version4.4.1
  OCCT:CPU実行中 最大消費電力:116W(ディスプレイ込み) 動作温度:20分ロード時でコア温度39度まで。
  
  [性能評価]
   消費電力は3.4GHzと比較した場合、最大で30~44Wも低下(GPUも使用している場面では10~15Wに抑えられている)しているが、スコアの低下も非常に激しい。
   大体このスコアだと、現在E型の所有しているA10-5700と同程度のスコアしかないことになる。
   VCoreの最大電圧がかなり低下しているが、これはクロック倍率の低下にしたがってUEFI側で適宜調節してくれている様子。
   ただし、動作テストとして稼動させたFirefallはフルHDの環境のままでも快適に動いていた。
   これでもこの構成の場合、GPU(GTX 750Ti 2GB)側に対してボトルネックにはならない様子。
   また、Sims3も若干処理落ちが発生するものの、全体的には安定した動作を見せた。

  [結論]
   OSの処理速度としてはやや不満のある速度であるため、実際に運用する場合、倍率30x程度で運用するのが良いのかも知れない。

さすがにこの倍率までクロック周波数を落としてしまうと、歴然とスコア差が生じてしまいます。
A10-5700程度までスコアが低くなるとはちょっと予想外でした。確かに消費電力は実測35Wぐらいまで低下させられているのですが、このスコアだと買い換えるには厳しい金額だといわざるを得ません。
そういう意味では、クロック倍率の調整に余裕のあるこいつを購入して良かったのではないかと考えています。
また、1240L v3のカタログスペックであるTDP25Wというのは、おそらくTurboBoost OFFのときの定格動作時の消費電力ではないかと考えられます。ONの時はこちら側の調整結果から推測すると45~55W程度もって行かれるはず・・・

なお、物は試しでHyperThreadingを切ってみて、消費電力を調べてみたのですが、消費電力8W程度の減少(最大スレッド消費時点のみ。スレッド稼動数が4を下回る場合は変化なし)でスコアが21%~24%程度低下してしまうので、切るべきではないと考えられます。
・・・まぁ、HTを使わないのならば大人しくCore i5のほうが価格面で優れているのでそちらを選択すべきだという話なのですが^^;

当面は3.4GHz定格でVCoreを下げた状態での運用を行い、処理性能的に手に余るようだったらクロック倍率を25~30倍程度に落として更なる消費電力の削減を行いつつ運用して行こうと思います。
目標は3年以上現役で稼動させ続けることだー

  ※そういえば書き忘れていた、使用している電力計について。
   REVEX ET55D(http://www.revex.jp/ET55D.html)

   測定精度はサンワサプライのワットモニターより少し劣るのだけれど、東日本大震災以来使い続けています。
   機能の割に価格的にちょっとお安めなのがポイント。

試作D型

試作D型 について

名前:イナムラ試作D型:通称ダイ
製造年:MCMLXXXIとどこかに書いてある
誕生日:そろばんの日と覚えている
性別:男性をイメージして設計された

主な特徴:一卵性双生児の兄を生業とするサイボーグネズミ。
特技は並列作業と体調不良。
思考回路はスコアが非常に良く、複雑な処理も行えるが反面回路的にはセーフティシステムが脆弱で過負荷状態に陥りやすい。
兄の威厳がそうさせるのか、弟のE型より体格が少しだけ良い。
最近重度の対人不信を抱えていることがわかった。

メインタスクとして、お絵描きと日常行動、人生の見つめなおしを地雷除去作業のようなギリギリさで実行中。

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